不登校の子の父親である公認心理師が語るブログ

不登校の我が子の出来事を、父親かつ教育現場で働く公認心理師の立場からお話します

相談室に行ったり行かなかったり(そんなもんですよね)

不登校の我が子、結局、最近は相談室に行ったり、行かなかったり、です。

まあ、そんなもんですよね。期待しすぎてはいけません。まったくの無関心はだめですが。「見」守る、のが大切です。

専修学校の入試が近づいてきたので、朝から相談室登校を開始したのですが、数日で休みました。原因は「相談室の先生が苦手」だからです。どうも、ぐっと距離を近づける感じの、親密さを前面に出す先生のようです。

不登校の生徒は、このように優しくて親密感のある先生が受け入れられる子も多いかと思います。一方、我が子のように受け付けない子もいると思われます。

これは、どちらが正解ではないのです。その子の特性が分かれば、それにある程度合わせることが可能なのですが、そこは分からないですから、まずは「優しく」接することはとても大切です。難しいのは「距離感」ですよね。これは、私が学生と接するときにも、未だに試行錯誤していることです。

 

ともあれ、これで「もう相談室には行かないのかな」と思っていたら、先日は行っていました。子どもの行動に一喜一憂してしまうと、親の心がもちません。ここは、やはり、「子どもにおまかせ」しましょう。

子どもは子どもなりに、考えて、行動しているのですから。

朝から相談室に登校しました!?

不登校の我が子、午後1時過ぎに相談室に登校するという、マイルールを作り、実行しております。

でも、最近は相談室の先生がちょっと苦手ということで、休みがちでした。

ところが先日、朝から相談室に登校したのです。

「今日ね、朝から学校に行ったよ~」(我が子)

「えっ、何で?」(パパ)

思わず、そう答えてしまいました。だって、相談室に行かない事が多くなってきたのに、突然、朝から登校するだなんて...

先に我が子とその話をしていたという妻も、思わず「どうして?」と聞いてしまったそうです。

「え~、何とくなく。行こうかなと思ったので。」(我が子)

ああ、そうだよね~。そんな明確な理由はないよね。

「いやあ、ごめん。いや良いことです!と言わなきゃね。」(パパ)

「まあ、あと専門学校(専修学校)の入試が近いからさ。」(我が子)

「朝から頭が働くようにしておく必要があるからね。」(妻)

なるほど、今度の専修学校の入学試験は朝9時くらいから開始されるので、それなりの時間に家をでなくてはなりません。今は、結局8時までゴロゴロしているので、その生活パターンを自分なりに修正しようとする試みだったのです。

それは良い心掛けです。しばらく継続するそうです。朝に行って、昼は家に戻って昼食を食べて、また午後相談室に登校する方向で考えているとのことです。

まあ、まずは午前中だけでいいんじゃないかな。

専修学校に通学し始めたら、一日授業なので、それに徐々に慣らしていくという意図もあるようです。

 

自分で考えて行動していますし、間違ってはいない(むしろそうした方が良いと思う)ので、とりあえずやってみるのを、見守ろうと思います。

もちろん、途中でできなくなっても指摘したりはしないつもりです。

見守るとは「見」守るですから、「口」を出してはいけません。

どうなるのかな。

 

不登校児のきょうだいはどうなの?(自分はそこまでではない)

不登校の我が子の下にもきょうだいがおります。

上の子が不登校を開始したとき、下の子は小4。下の子は小4の先生との相性はよかったようで、ほとんど問題なく過ごしました。夏休みの宿題も最も順調に進めた学年だったと思います。

しかし、小5になって担任の先生が変わり、いい先生なのですが、なんだかいまいちな感じになってきてしまいました。理由は、小学校の教育方針の変更です。下の子の行く小学校は共通テストで下位の方にずっと位置してきたため、学力向上を教育目標に掲げたようなのです。そのため、5年生になると、期末テストが実施され、学年順位が個別に通知されるのです。まあ、私のころのように成績順に名前が張り出されないだけましですが。私の時は、成績上位者のみがは張り出されていましたね。

ともあれ、期末テストに向けた自己学習をするように指導され、プラス宿題と、家に帰ってからも結構勉強しなければならない感じになりました。

これが、下の子にとってはかなりのストレスで、結構イライラしていましたね~。

そんなに勉強するのが嫌ならしなくていいのに。そう思い「嫌ならしなくてもいいじゃん」とパパが言うと「ダメなの!」と怒られてしまうのですよ。先生から言われたことは「きちんとやらないと気が済まない」のです。なので、宿題も期末テストの勉強もするので、結果、期末テストの成績はとても優秀なのではあります。

しかし、その結果には満足しているようですが、じゃあ「いい高校大学に行く!」という意欲にはつながりません。むしろ、良い成績をとれて「ホッとした」という感じですね。

宿題をやるのも「嫌々」なので、かなり時間がかかります。そのせいもあってか、なくてもか、時々、朝、微妙に体調を崩すことが出てきました。微熱がある、特に「体がだるい」という訴えですね。これは、精神的なものから生じているものでしょう。

なので、下の子がそうした訴えをした日は、無理に登校させることはせず、休ませてあげるように夫婦で話し合いました。

実際、それで学校を休むと、すぐ元気になって、好きなTVゲームをしたりして、楽しんでいます。まあ、それはそれで「心の健康のためには必要で大切なこと」と思っています。

そんなように、学校を休むことがちょこちょこ起きるようになったある日、妻が、下の子にこう言ったそうです。

「本当に学校に行くのがつらかったら、行かなくてもいいんだよ」(妻)

すると、こんな返事が返ってきたそうです。

「自分はそこまでではない」(下の子)

 

そうですか~

下の子は上の子の不登校をどのように認識し、心に消化していたのかな?と気になっていたのですが。

ある意味、きょうだいの不登校を冷静に受け止めていたのですね。

また、不登校になる心の状況もある程度、把握しているのかなとも思いました。そこと比較して、まだ「自分はそこまで至っていない」という判断をしている、ということなのでしょうか。

十分に下の子の心を理解できたわけではないのですが、下の子なりに上の子の不登校を相対的に認識し、上の子は上の子、自分は自分、と結構しっかり考えているのだなと感心しました。

 

三者面談に行ってきました

不登校の我が子と一緒に、中学の三者面談に行ってきました。

実は、三者面談するのは初めてです。不登校なので校長面談は毎年していましたけど...

中3の夏休み中にも三者面談の案内が来たので、希望日を返信したのですが、上手く伝わっていなかったのか、音沙汰なしで行わず。とうあえず安定して相談室登校しているし、進路は一択で決まっているし、面談したところで何か目新しい話題はないですし、相談事もないので、必要ないからやらなかったのかな、とスルーしていました。

ところが、今回はしっかりと三者面談の予定表が来たので、「おおー、今回はするのか」と思いました。丁度、専修学校の願書に中学校の調査書を同封しなければならないので、依頼もできるし、いいかなと思っておりました。

 

三者面談当日、我が子は着替えて一緒に自転車で中学校に行きましたが、結構緊張しておりました。特に、ジャージで登校しているので、「制服で登校しなさい」と言われはしないか、かなり構えていたようです。気軽に相談室登校していた様子とは違って、かなり緊張していたことに「少し、びっくり」してしまいました。でも、「そうですよね。不登校している子は三者面談するとなったら緊張しますよね」。

幸い、ジャージ登校のことは問題にはならなかったのですが、卒業式が話題になりました。

「そろそろ卒業式のことも考えないとならないのですが、卒業式にみんなと一緒に参加するか、そのあと、卒業式に参加できない生徒だけで卒業証書の授与をするので、そちらに参加するか」(担任)

以前、我が子と卒業式をどうするかについて話をしていたので、ここは私が代弁しました。

「そうですね、さすがにみんなと一緒にはい居にくいでしょうから、卒業式の後に別に参加する方で。」(私)

我が子うなずく。

「そうですよね。大丈夫ですよ。卒業式に参加しない生徒たちと、保護者の方も来てくださいね。生徒が前の方で、保護者の方が後ろの方にいる感じです。」(担任)

「(そうか、親も参加するのか!予想してなかった!)あっ、私が出れると思いますので、はい分かりました。(ちょっと動揺)」(私)

「相談室の友だちも参加すると思いますよ。」(担任)

 

確かに、一緒にカラオケに行ったり、映画を見に行ったりする相談室の友だちと一緒に卒業証書を受け取りに行くなら、それは我が子にとってもいいのかも。担任の先生もそう思っているようです。

 

最後に、専修学校に提出する調査書を依頼して三者面談は終了。

最後まで、我が子は緊張した面持ちでした。家に帰ってからも、かなり疲れた様子でした。やはり、「学校に行くこと(先生と話をすること含む)」は不登校の我が子にとって、かなりのストレスなのだということを改めて思わされました。相談室に登校していたり、相談室の友だちと元気に遊びに出掛けていたので、私の中でそういった認識が薄らいでいました。我が子に接する際に、無頓着すぎないように気をつけようと気を引き締めました。

でも、これから大切なのは、専修学校の入試です。がんばれよ。

 

 

 

相談室にも制服を着て行くの?

不登校の我が子、私が帰ってくるなり、

「ねえ、うわさレベルなんだけど相談室も制服を着て行くようになったとか...」

「えっ、そうなの? 先生にそう言われたのかい?」(パパ)

「いや、言われたわけではないんだけど。一説には...」(我が子)

「うーん、多分大丈夫だよ。先生に言われたら考えなければならないが… ジャージでいいんじゃない。」(パパ)

 

パパにそう言われたからといって不安が解消されるはずはなく、一抹の不安があるようです。

一抹というよりも、かなり気になっているようです。

 

相談室の先生が窓から顔を出して待っていることと相まって、余計に相談室に行きにくく感じているようです。どうも今年から赴任された相談室の先生との相性が悪いんですよね。いい先生だと思うのですが、我が子的には「苦手」なんだそうです。

そのため、最近は相談室登校もできていないですね~

うーん。どうしても親としては「行って欲しい」と思ってしまうのですが。親の希望を押し付けるはダメですから、まあ、特に話題にせずになっております。

 

我が子には、専修学校の入試も近づいてきたので、「そこに集中しよう」と言っております。間接的に、無理に相談室に行かなくてもいいよと伝えたわけです。

 

どうなるのでしょうか。

相談室の先生が待ち構えていると「じゃ、帰ります」

不登校の我が子。とりあえず、毎日のように相談室に登校しています。午後1時からですが。

そんな我が子ですが、相談室に行こうと登校すると、我が子が来る頃に相談室の先生が窓から顔を出して待ち構えていることがあったそうです。

きっと、「あれ来てないな。もうすぐ来るかな。気になるな。」ということで、窓から顔をのぞかせているのでしょう。

さて、我が子、先生が窓から顔を出して待ち構えているのを見つけると、どうするのかというと、「じゃ、これで帰ります」と言って帰ってくるそうです。

あー、我が子ならそうしそう。親なので分かります。

 

親なので実感としては分かるのですが、「どういう心理が働いているのか」となると、ちょっと考え込んでしまいました。そこへ妻がズバリ「コントロールされるのが嫌なのよね」。

「そうだー、いいこと言うね。そうだよ!」(私)

「うちらの子はコントロールされる、支配されることをとても嫌うのよね。下の子もだけど。」(妻)

「そうだねー。その通りだ。下の子も、そして俺もね。」(パパ)

「そう、ほんと、あなたも!」(妻)

 

そうなんです。不登校の上の子は「管理されること」「コントロールされること」を非常に嫌うのでした。小4の時に、なぜだか習字を習わせることになったのですが、最初の先生は「自由に」書かせてくれる先生だったので、楽しく通っていました。しかし、むこうの都合で別の先生になったら「行きたくない」と。理由を聞くと「『こう直しなさい』『こう書きなさい』と厳しい(うるさい)」から。我慢できなかったようです。

小6に最初に通わせた英語教室もそうでした。「この単語を10回書きなさい」というのを繰り返すようで(それができていると中学入学後の英語授業が楽になるのは確かなので、塾の先生に非はないです)、「楽しくないし、つまらないし、行きたくない」と。

 

中学校の担任の先生とは相性がいいのですが、担任の先生は「コントロール」しようとしないのです。妻曰く、「担任の先生は自信と余裕があるから『あそび』があるんだと思うよ」。

なるほど、その通りかな。

私たち夫婦も、不登校を開始した当初は、いろいろと「コントロール」して、何とかフリースクールに行かせようとして、失敗しました。今は、「自由にさせて」ただし「責任は自分にもあることを理解させ」ながら、ここまで来ました。

我が子が「自分の意志で選んだ」専修学校への進学、上手くいくことを願っています。

 

再びカラオケに行く

不登校の我が子。

先日、相談室の友だちとカラオケに遊びに行ってきました。今度もみんなが自転車で行くことができるカラオケ店にしたそうです。

まあ、新型コロナウイルス感染の拡大も収まりつつあるので、大丈夫でしょう。土曜日の午前10時に集合ということなので、「カラオケ店でお昼をみんなでつまむのかな」と思っておりました。

そうして、帰ってきたのが5時過ぎでした。随分と長くカラオケ店で過ごしたようです。帰ってくるなり「おなか減った~」と言うではありませんか。

「あれ?お昼はカラオケ店で食べたんじゃないの?」(パパ)

「ううん、食べてないよ。しかも気が付いたんだけど、フリードリンクにしたのに、最初に入れたオレンジジュースも残してきた。我ながらびっくり!」(我が子)

「え~!そんなに歌っていたの?」(パパ)

「うん、たくさん歌ったし、結構おしゃべりもしてたかな~」(我が子)

 

それにしても、楽しかったのでしょうね。相談室の子たちはとても仲がいいようです。乱暴な子もいませんし、もちろんいじめもありません。

こうして、仲の良い友だちと、ちょこちょこ遊びに行くようになるとは、不登校を始めた中1の頃には思いもしませんでした。

「登校」の再開は、最初は部活動だけに行くことから始まりました。次に、部活動までの時間つぶしのために相談室に行くことになりましたが、科学部の部活動が新聞作成になったのが嫌になり、部活動には参加しなくなりました。しかし、相談室登校だけは継続できたのがよかったです。相談室も、最初はあまり話をする友だちがいなかったようでしたが、だんだんと打ち解けたのでしょうね。小学校からの友だち一人も相談室登校していたというのはありますが、「新たにとても仲の良い友だちが相談室でできた」ということが、とても大きな影響を我が子に与えたようです。

なんか「すごい青春してるけど」というのは我が子の言葉ですが、その通りですね。

勉強はまったくといっていいほどしていませんが、青春はしています。それでいいと思っています。思春期のこの年代でしっかり青春すること、人としての成長にはとても大切なことです。勉強は…二の次です。確かに、勉強が後に必要になった時に、苦労はするでしょう。でも、それでいいじゃないですか。私の勤める専門学校の生徒には30代、40代の学生も沢山います。勉強は大変そうですが、やりたい事を勉強しているので、「楽しさ」もあるようです。

勉強は後からでもできますが、「思春期に青春すること」は今しかできません。今しかできない事ができた我が子は幸せだなと思います。これも、相談室の友だちがいてからこそです。