不登校の子の父親である公認心理師が語るブログ

不登校の我が子の出来事を、父親かつ教育現場で働く公認心理師の立場からお話します

受験をきっかけに不登校になった直接のきっかけを思い出した(トラウマ)

不登校の我が子。ついに進学希望の専修学校高等課程を受験しました。

緊張はしていましたが、何とかやり切りました。だいぶ疲れたようです。お昼を挟んでほぼ一日の試験でしたから、かなり疲れたでしょう。

その日、お風呂から上がると、我が子がいきなり涙を浮かべながら「学校にいけるかな~」と訴えてきました。

「朝起きて、電車に乗って通学できるかな?ということかい?」(パパ)

「ううん、だって中学校で(こういうことがあって行けなくなった)から」(我が子)

 

そうだったんです。我が子が中学校に行けなくなった直接のきっかけを、やっと聞きました。もちろん伏線となるいくつかのことがあってなのですが、学校で失敗をしてしまい、とても傷ついてしまった上、翌日には行きたくなくて渋っていたけど頑張って行こうとしたら忘れ物をして、取りに戻ったら遅刻になると分かり、「もう行けない!」となってしまったのです。

 

その時の我が子の気持ちを察すると、私も涙が出てしまいました。

不登校になってから2年半以上、やっと自分の口から誰かに話をできるようになったのです。しかし、それは、「専修学校に行く」ことが現実味を帯びることで、トラウマとして蘇ったことでもあります。

 

我が子の不安は漠然としたものではなく、具体的なものでした。

 

今度行くことになる専修学校には受験日含めて3回授業を体験しています。また、内1回は他の生徒とも一緒に授業を受けています。

なので、専修学校の先生はどうだったか?クラスの先輩はどうだったか?について、もう一度聞いてみました。

専修学校の先生は嫌ではなかったし、先輩は優しかった」(我が子)

「そうか。なら、大丈夫だと思うよ。今日の試験では親の面接もあったんだけど『子どもが不登校になった理由』と『されては嫌なこと』を聞かれたんだ。これは、今度の専修学校の先生が、子どもがされたら嫌なことをしないようにしよう、不登校だった子も安心して学校に来れるようにしよう、と気を使ってくれているんだよ。今度の学校の同級生も不登校だった子だから、今の相談室の友だちみたいにみんな優しい子だと思うよ。」(パパ)

こうして、我が子に沸き上がった不安に対する対応をしました。これで十分だとは思えないのですが、「ゆっくり行けばいいんだよ。行って楽しけれは行けばいいし、嫌でなければ行けばいいし。自分のペースでいいからね。」と言ってあげました。

 

我が子たちが寝てから、夫婦で話しました。

「なんだか、このまますんなりいくって思い込んでたね。この事で私たちも実は傷ついてがっかりしているね。でも、それを我が子に見せちゃ、雰囲気でもでちゃうから、だしちゃあダメだよね。期待しちゃっていたんだね。」(妻)

「そうだった。俺も期待しちゃっていた。でも、これからも『子どもにおまかせ』なんだよね。勝手に子どもに期待してはいけなかったね~」(私)

 

確かに、私は大きく傷ついていました。ショックを受けていました。でも、これは、勝手に親が子どもに期待していたからです。別に子どもが親を裏切ったわけではありません。その勘違いをしてはダメですよね。

専修学校に合格するのがゴールではありません。来年4月から再び学校に行けるのか、ゆっくりと子どもに向き合いましょう。