不登校の子の父親である公認心理師が語るブログ

不登校の我が子の出来事を、父親かつ教育現場で働く公認心理師の立場からお話します

不登校児のきょうだいはどうなの?(その2)

不登校児の我が子の下の子(通学中)。なかなか神経質なところがあるのですが、しっかり言い分を聞くと、「確かに正しい」と思わされることが多々あります。

小3の時だったでしょうか、担任の先生が比較的年配の先生で、やや「雑」で、AD/HD(特に注意欠如)の傾向があるな~と感じさせる先生でした。

こんなことがありました。

グループで調べ物をして発表するというグループワークの授業をしていたのですが、下の子が担当する部分まで授業では進まず、「後で一緒に調べようね」と先生から言われたとのことでした。しかし、なぜか学校の終わりに、「明日グループの発表をします」と先生がみんなに言ったのだそうです。

その「グループの発表をする」という当日の朝、下の子はいつものように準備はしたものの、ぐずぐずして学校に行こうとしません。

「どうしたの?」と尋ねると、泣きながら上の説明をしてくれました。「担当の分を調べていないのに発表なんてできない。」と言って泣いております。

そこで、とりあえず欠席の電話をしたのですが、理由を聞かれてしまったので、「いや実は、本人が○○(上記の話)と言っておりまして、学校に行きたくないと言っているので、とりあえず休ませようと思いまして…」と返事をしました。

すると、「ちょっとお待ち下さい!」と結構一大事そうな感じで対応され、ちょっと待っていると担任の先生が電話口に。もう一度、少し詳細に話をすると、担任の先生が「申し訳ない事をしました。今日の発表は出来ているところまでの発表で、今日以降のまたどこかで残りの部分の発表をしてもらおうと考えていたのです。それをきちんと子どもたちに説明していませんでした。そのことを直接謝りたいので本人が電話にでられますか?」ということになり、そばで電話の様子を聞いていた下の子に話すと「電話に出る」ということなので、下の子と電話を替わりました。すると、担任の先生が丁寧に子どもに謝っていたようで、下の子に笑顔が見られ、うなずいていました。「これから学校に来られる?(担任の先生)」ということなので、「行く(下の子)」」と返事。パパが一緒に学校まで送ってあげることにしました。

パパと一緒に教室まで行くと、すぐに担任の先生が出てきてくれて、「ごめんなさいね。先生が悪かった。これからまた一緒に勉強できる?(担任の先生)」「うん(下の子)」となり、無事授業に復帰していきました。

一緒にその様子を見ていた教頭先生が「実際にはどのようなことがあったのですか?」と私に質問されたので、説明すると、「それは担任が悪い!(教頭先生)」と一刀両断。

「きちんと担任は謝りましたか?」(教頭先生)

「はい。説明して謝ってくださいました。」(私)

「お子さんは納得されていましたか?」(教頭先生)

「はい。大丈夫です。」(私)

「もちろん、きちんと説明しない担任が悪いのですが、社会ではこのようなことは起こるものなので、『世の中にはこういうこともあるのか』と社会勉強として学んでいただける機会になったとも、捉えていただけると逆に良いのかなと。」(教頭先生)

「いやー、本当にそうですよね。担任の先生も悪気があるわけではないのに、そういうミスをしてしまったわけですし。」(私)

この会話をしていて、この教頭先生は「話のできる柔軟な人だな」と思いました。「学校には間違いがない」と偏屈な考えはなく、学校も先生も間違いはするし、間違ったことは素直に認めて謝罪する、でも「謝ったからいいでしょ」みたいな対応でもなく、そこから何かを学ぼうとする、「いい先生だな」と思いました。

担任の先生も、「雑」で不注意傾向がありますが、子どもに正面から向き合い、自分が間違ったことしたら素直に子どもにも謝ることができる、「きっと、本当に子どものことを一所懸命に考えてくれている先生だ」と思いました。

その一件以降、小3の時は一度も休まずに登校していきました。

とはいえ、下の子は「結構頑固だぞ」と、薄々わかってはいましたが、かなりな確信に変わりました。

その辺からくる出来事が、後々出現してくるのでした…