不登校の子の父親である公認心理師が語るブログ

不登校の我が子の出来事を、父親かつ教育現場で働く公認心理師の立場からお話します

相談室の友だちと遊びに行った

相談室に来ている生徒の中に、とても話が合って、仲の良い友だちができた我が子。

今度は、その子と一緒に遊びに行く約束をしてきました。

土曜日に、まず二人の家の間にあるファミレス前に集合だそうです。

何して遊ぶのかまでは分かりませんが、とりあえずお金を持たせて行かせました。あまり親が介入しないように気をつけたつもりですが、我が子よりも親の方が心が浮わついていたのは明らかです。

なんといっても、自分で作った友だちと遊びに出かけるなんで、中学生になってから初めてです。小学校以来の友だちとは遊んでいましたが。

 

午後1時、遊びに行く時間になったら、自分で着替えて準備して、自転車で出かけていきました。自然に出かけて行きました。

 

夕方5時過ぎに元気に帰ってきました。

根掘り葉掘りと聞くのも何なので、何して遊んできたのかはあえて聞かないようにしました。

そうしたら、子どもの方から、話してくれました。

「待ち合わせをしたファミレスに入って、ピザとポテトをシェアしておやつにして食べながら、ドリンクバーで好きな飲み物を飲んだんだ」そうです。

いろいろと楽しくお話ししたみたいですね。楽しそうな笑顔から推測できました。

 

そのあと、近くにできたばかりのショッピングモールに自転車ででかけて、お店をのぞきながら楽しく過ごしたとのことでした。

ユニクロもあったし、いろんなお店があった」との報告をしてくれました。

 

何と言っても、元気に出かけてくれたことがうれしいです。

学校の教室に行っていなくても、心が元気であることが、子どもにとって最も大切なことだと、改めて感じました。

子どもには生命力があります。その力を育ててあげれば、「勝手に」成長し、生きていきます。

今回、相談室で仲の良い友だちを作り、そして一緒にお出かけして遊んで、楽しい気分になった我が子を見て、本当にそう思いました。

 

ここまで子どもの心が「回復」するまで、2年以上がかかりました。

中1の最初の4日で、学校に行くことに「挫けてしまい」(挫けたとは考えないべきなのですが、当人にとっては「挫けた」という「劣等感や罪悪感」を感じています。周囲の大人がその「劣等感や罪悪感」を増悪させるのではなく、「それでいいんだ」と支えてあげることが大切です)、そこから2年以上が経ちました。

我が子は、周囲の大人が「それでいいんだ」と支えたことを基盤としつつも、「CGの勉強をしたいから専修学校に進学する」という目標が生まれたことが、自信となり、この「回復」に繋がったのだと思っています。

今「回復」と書いていますが、実は「回復」だとは思っていません。「元に戻る」のではありません。不登校という生き方を経て、新たな道筋を歩き始めているのです。

不登校の子を「元に戻そう」という発想から解放されるべきだと、私たち夫婦は実感しています。

 

「子どもにおまかせ」

親・保護者が子どもを信頼することが、本当に試されるのだと身震いしました。