不登校の子の父親である公認心理師が語るブログ

不登校の我が子の出来事を、父親かつ教育現場で働く公認心理師の立場からお話します

子どもにおまかせしてみる

不登校の我が子。高等専修学校に進学したものの、3日目に休み、4日目に行ったものの、5日目に休みました。

翌週は、ずっと休みました。

するとその週末、「来週の木曜日は行こうと思うから、起こして」と言ってきました。

「うん、わかった」と返事はしておきましたが、期待はしないようにします。心掛けましたよ。

すると、水曜日に自分から勝手に起きて、「とりあえず学校に行って、すぐ帰ってくる」と言うではありませんか。ちょっと予想外でしたね。

「わかった。いいんじゃない、それで」と答えておいて、学校の先生にも「子どもが行くが、直ぐ帰ると思います」「引き留めるようなことはしないでください」と電話連絡しました。

ここで「熱心に」声を掛けられてしまうと逆効果であることは、もう私たち親は分かっています。これは不登校の子によって違うので、「熱心に」「温かく」声を掛けてもらった方がよい子もいます。しかし、我が子はそれを嫌うのです。なので、どう対応して欲しいか直接学校の先生といろいろと話をしました。

 

で、実際どうしたかというと、学校に入ってそこにいた先生に挨拶して、すぐ帰ってきたそうです。

なるほど、ある意味有言実行ですね。

 

木曜日に行くための慣らし的な感じだったのでしょうか。特に本人に尋ねることはしなかったので、真意は分からないのですが…

木曜日には行くのでしょうか?

それも子どもにおまかせしましょう。

ちょっと行ってはみたものの

不登校の我が子(上)。高等専修学校に登校して3日目。休みました。

4日目、とりあえず行ってはみました。しかし、5日目の金曜日も休んでしまいました。

正直、かなり期待してしまっていたんですね~

この学校に行きさえすれば、何とかなるって...

本人もその希望に満ちていたに違いありません。が、現実はそう簡単ではないですね。

 

週末、洗濯物を子どもの部屋に掛けに行ったとき、我が子がぽつり、

「行く学校間違っちゃったかな~」

うーん、これは堪えましたね~

 

もう少し話を聞くと、

「自分にはレベルが高すぎる。もっと基礎的なことから教わらないと無理...他の生徒はみんな絵が上手」

 

大人としては「そんなにすぐ決めつけるのは早すぎだよ」と思うのですが…

いや、むしろ、その「理由」は「学校に行けない理由」を自分で探し出しているにすぎないとも考えられます。

つまり、その「理由」を直接解決しようとしたところで、根本的な「解決」にはならない可能性が高いということです。

 

仮にその「学校に行けない理由を解決」しても、次には別の「理由」が出てくる。

その繰り返しかもしれません。

 

「基本的なデッサンから学びたい」とも言っていたので、「じゃあ、デッサンの授業だけでも言ったらどう?」と返答はしました。

また、「デッサンが学びたいなら、美術教室に行って学ぶこともできる」とも話してみました。しかし、この私の意見には妻は反対でした。

「そんなことが問題なのではないと思う。仮に美術教室に行っても同じことの繰り返し。自分から『やりたい』と言うことでなければ、親が勧めたことをさせても継続しない」(妻)

 

確かにそうですね...

今回の専修学校は私が見つけて我が子に紹介したので、自分自身のこだわりやわだかまりがあるのでしょう。

妻の言う通りですね。

自分と我が子のことになると、冷静に見ることは難しいですね。

 

そういう意味では、やはり「子どもにおまかせ」することがいいのでしょう。

ここは辛抱して、「子どもにおまかせ」です。

登校2日でお休みしまーす

不登校の我が子。専修学校高等課程に入学しました。

入学式はかなり元気に参加しました。入学式の表情も余裕を感じ、中学校の入学式で感じた「曇り」「嫌だ!」という感じはありませんでした。

翌日はガイダンス。朝もしっかり起きてきて、無事に終えてきました。2日目からは朝は母親と一緒に家を出て、帰りは一人で帰ってきました。

しかし、家に帰ってくると、「頭がクラクラする」とのことです。いきなり頑張ったから「頭が疲れてしまった」のかなと思います。本人は「電車がつらい」との訴えです。

「以前、友だちと電車で遊びに行ったときも、帰ってきたら頭が痛くてクラクラしたんだ」とのことです。確かに、電車に慣れていませんし、多刺激は我が子にとってつらいのだと想像できます。

物事に「注意」を向ける機能には、多くの刺激の中から目的とする重要な刺激のみを抽出し、そこに意識を向け続けるという大切な役割があります。

注意欠如・多動症の場合、注意が逸れやすいという側面が目立ちます。しかし、子どもによっては多刺激から大切な情報だけに注意を向けるという機能に難があり、多刺激を受け続けると「頭が疲労してしまう」ということがみられます。

多刺激に弱いというと自閉スペクトラム症の子どもをまず思い起こしますが、注意欠如症の子どもにも、多刺激に弱い子どもがいます。

 

我が子は保育園くらいまではショッピングモールに親子で出かけていましたが、小学生くらいからは「人が多くて疲れるから行かない」と言って、出かけないことがほとんどでした。これも、多刺激に弱いことが要因の一つにあったのかもしれません。

 

ともあれ、翌日どうするかは、「明日になってみないとわからない」と本人も言うように、翌日考えることにしました。

「おそらく行かないだろうね」と妻とは話していましたが、「また不登校が始まるのかな~」と思うと、胸がちょっと締め付けられる感じがしました。

 

さて翌日、「頭が痛いので学校は休みたい」とのことです。まあー、予想通りです。

ただ、かつて不登校児だった私の教え子から、「勉強だけはしておけばよかった」と聞くこともありました。

なので、「専修学校を卒業して、専門学校に入学できるようになっておくことは、あなたの人生にとって大切なことだよ」ということは話しました。そこは本人も十分にわかっているのでした。だけど、「頭がクラクラする」「電車が苦手だ」という訴えでした。

ならば、休みましょう。いいよ、休もうよ。

「そうか。行けるときに行けばいいよ」「1年生を2回やったっていいんだよ」と話しました。我が子は涙を流して聞いていました。

 

10時を過ぎると元気になっていました。

「8時を過ぎたくらいから、頭が痛いのがなくなって元気になったー」と元気にYoutubeを見ていました。

「それはよかった~。笑顔でいられることが、パパにとって一番うれしいことだよ」と話しました。

 

そうです。子どもが笑顔でいられること。これはとっても大切なことです。それを犠牲にしてまで「させなければならないこと」があるのでしょうか。

新しい学校の説明会に参加

不登校の我が子2人。ふたりとも中学と専修学校と、説明会に参加しました。

授業の時間割や準備するもの、心構えなど、説明を受けました。

 

不登校の生徒を受け入れている専修学校では、「無理しない」「なんでもいいから相談しやすい先生に相談していいから」ということも、優しくいわれました。

 

大切なことですね。

 

不登校だった生徒が、新しい環境になることで、「ここでは頑張ろう」と思って臨むことは想像できます。しかし、心はまだまだ調整中なので、「頑張ろう」という意志と「調整中」の心に不調和が生じてしまい、体調を崩してしまうリスクがあります。

専修学校の先生は、そのような経験を積んでいるので、前もって「無理しないこと」を話してくれているのです。

 

そのような話をしっかりと聞いている我が子。まだまだ緊張しているようです。

それでも、模擬授業や授業参加を3回ほどしているので、まだいい方だと思います。

これが、本当に初めて行く学校だと、緊張はかなりになるかと。

 

正直、不登校の我が子はほとんど外に出ていないので、その辺も心配ですよね。

まあ、相談室の友だちと遊びに出掛けていたのはとても良い事でした。新しい学校でもいい友だちができると良いのですが。我が子にとっては友だちがとても大切なので。

 

 

デジャヴ? 校長室で個別に卒業式

不登校をしている我が子の下の子。小6ですが、かれこれ数か月ほとんど小学校に行かず、ついに「自主卒業」してしまいました。

とはいえ、学校としては卒業証書を授与する必要があるようです。

 

さて、下の子、卒業式は、はい、休みました。卒業式の練習も結局一回も参加せず、式次第もやり方も分からないですからね。もちろん、卒業式に出たくなかったからの計画的な不登校です。

 

卒業式の前日に担任の先生に連絡して、「明日の卒業式は休みます」と伝えておきました。当日の朝だと先生も大変でしょうから。

事前に打ち合わせていたように、卒業式の日の午後、個別に校長室で卒業証書を受け取ることになりました。

妻は「服装はちょっとしっかりしたものにする?」と促していましたが、下の子本人と私も反対。普段着で出かけました。さて、職員室で担任の先生に声を掛けると「お待ちしていました。校長に連絡します」とのこと。すぐに校長室に行くことになりました。

そして、卒業証書を受け取る段になると、校長先生、担任の先生、学年主任の先生、号令をする先生と、大人数です。

「それでは令和3年度卒業証書授与式を始めます」という感じで、一人だけのための「式」が始まりました。

「あれ、これってデジャヴ?」

「同じ光景をつい先日経験したような…」

そうです、上の子が校長室で中学校の卒業証書を受け取った時です。

 

うーん、連日で子どもが校長室で個別に卒業証書を受け取るところに立ち会うとはね~。まあ、これもいい思い出です。

 

卒業証書を両手でしっかり受け取り(直前にレクチャーされていました)、校長先生から一言「なんだか式辞を言いたくなっちゃうなぁ」と冗談なのか本気なのか…すると下の子がすかさず「結構です」。

思わず校長先生をはじめ、みんなで笑いました。下の子本人も笑っていました。

帰りの途中で、下の子が「校長先生の話を聞かなくてよかった~」。

卒業式は参加しません!不登校児だけの卒業式も結構です。

不登校をしている我が子。2人いるのでどちらの話かというと、上の子です。

中学校を卒業するのですが、卒業式にはもちろん参加しません。

 

ほとんどの不登校生徒は正規の卒業式に参加しないので、学校としては卒業証書をどうにかして授与しなければなりません。

学校の提案は「不登校の生徒だけで第2部という形で、卒業式の会場で卒業式をします(保護者にも参列してもらう)」というものでした。

 

不登校の我が子、この案に「かなーり後ろ向き」です。

それはそうですよね。不登校児だけ集めた催し物に登校できるくらいなら、普通に登校しているのでは?

もちろん、いじめなどが原因で不登校になってしまった子には、しっかりとした卒業式をしてあげるということで、大切なことと思います。

 

じゃあ、我が子は?

「嫌です」と担任の先生に伝えたそうです。

「相談室に行ったら、『卒業式の後に行う、卒業証書授与式に来られるかい?』と聞かれたので、『いえ、結構です』と返事しておいた。」(本人談)

 

ということで、卒業式第2部にも参加しないので、同じクラスで不登校の子(相談室には登校していないが担任の先生と1対1で週何回かお話ししている生徒さん)と2人で、校長室で卒業証書を受け取ることになりました。

 

我が子は制服が嫌いなのですが、ここは我慢するとのこと。

保護者の私はスーツ?どうする?

我が子に「パパはスーツ着た方がいいと思う?」と尋ねたら、「着なくていいんじゃない」という返事。

私もそう思っていたので、地味目の服で(スーツではないが襟付きとズボン)で付き添いました。

 

そうしたら、結構きちんとするのね。

校長先生以外にも担任の先生と(ここまでは当然でしょう)、もう一人の先生が参列。そして、「令和3年度卒業証書授与式を執り行います」と宣言もあって、「おおー」と予想外でした。

そうなんですね。校長室に「トントン」とノックして入って、「おめでとう。よくがんばりました」とか言われて、卒業証書をサッと受け取って帰るイメージだったので、我が子も私もちょっと面食らいました。

我が子が心配していた校長先生の話は特になく、一言で、担任の先生ともちょっと話し、お礼を伝えて帰宅しました。

 

帰宅中、

不登校を貫ききりましたね。お疲れ様でした。」(パパ)

「やったー、清々したー! これで解放される。」(我が子)

 

そうかー、何か大きなもの(「中学校に行かねばならない」というステレオタイプ)から受ける圧力を感じ続けていたんだなと、しみじみ思いました。

大変だったね。不登校するのだって大変なんですよね。よく頑張りました。

 

さあ、これからは専修学校です。

もう気分は卒業しました(もう登校はしませーん)

中学校で不登校をした我が子の、下のきょうだい。

小6なので、もうすぐ卒業です。

 

しかし、謝恩会の劇が嫌、期末テストのための勉強を強制されるのが嫌、期末テストが嫌、卒業式の練習も嫌、卒業式で校長先生のつまらない話を聞くのも嫌、ということで、もうかれこれ1か月近く学校を休んでします。その中で、2日くらい登校しましたが。

ついに、小6の我が子、「もう気分は卒業した感じなんだよね」と小学校に行く気はさらさらなくなっています。自主卒業ですね。うん。勝手に卒業しちゃいました。

 

さすがに、私も何度か小学校の担任の先生と電話では話していますが、小学校に行って直接担任の先生と話をしてきました。

卒業式までに学校に行くことはなさそうなこと、かなりの高確率で卒業式自体も休みそうなことを伝えました。

担任の先生は、「周囲の先生からは『家庭訪問に行った方がいいのではないか』とまで言われているのですが、私はお父さんとお話しをしていてそうではないと思っているので、それはしないでもと思っているのですが…」と話してくれました。

「ただ、卒業文集の原稿が書きかけだったりするので、それをやってもらはないと...」ということで、書きかけの原稿を預かって帰ってきました。

 

それから、卒業式を休んだ時の段取りも担任の先生と詰めておきました。先生もいろいろと大変でしょうから。卒業式を休んだら、午後に個別に卒業証書を取りに行くそうです。おおー、それは不登校の上の子と一緒じゃないですか。