不登校の子の父親である公認心理師が語るブログ

不登校の我が子の出来事を、父親かつ教育現場で働く公認心理師の立場からお話します

能力のアンバランスと発達障害

不登校児の我が子。

WISC知能検査をとったところ、苦手な能力が浮き彫りになりました。

ワーキングメモリーです。

 

専修学校からは「発達障害の診断」があれば、いろいろと配慮をしてくれると言われていました。登校日数や時間への配慮などです。

かかりつけの児童精神科の先生がいるので、診断の依頼に行きました。

親が記入する質問紙(生活や行動の様子を答えるもの)をもらってきたので、夫婦で話し合いながら記入しました。

なんだかんだと合致しますね~

私は知識と少しの経験があるのでそうだろうとは思っておりましたが。

そして、その質問紙とWISCの結果をもって児童精神科の先生に診断書を書いてもらいました。

先生から「そうか~。これはお子さんはかなり苦労しただろうね。学校とかではかなり大変だったと思いますよ」と。

発達障害の診断書ももらいました。

 

診断してもらうと「やっぱりそうだったか」という「ショック」と同時に、「そうだよね。そうだよ」という納得感と安心感もありました。

 

苦手な能力があるにもかかわらず、他の子どもたちを同じことを強いても、仕方がないんです。だって、能力が他の多くの子よりも偏っているんですから。

我が子は我が子でいいんです。やりたいこと、やれることを上手く見つけていく、見つける手伝いをしてあげる。これが私たちの役割でしょう。

知能検査をしました

不登校の我が子。不注意の問題があります。医師に診断してもらったわけではないので、診断名ではありませんが、私の経験からはそのように「みなして」います。

親としては、そこに配慮しながら子育てしてきましたが、学校ではそこまで十分にならないことも多々あります。

そのせいか、宿題を忘れたり、持ち物を忘れたりということはしょっちゅうでした。

 

我が子もだいぶ大きくなってきましたし、そろそろ自分のことを理解して、対応できるようにした方がよいと考えて、我が子にもその旨を話しました。

すると、我が子も「自分の得意なことと苦手なことを知りたい」ということだったので、知り合いにお願いして(もちろん料金は払いましたよ)知能検査のWISC-4をとりました。

 

WISCは知能を「言語理解(語彙の豊かさや言葉による推理力)」「知覚推理(推論する力や視覚情報の処理)」「ワーキングメモリ(複数の情報を同時に処理する力)」「処理速度(1つのことを情報処理するスピード)」に分けて把握することができます。

我が子は、言語理解・知覚推理・処理速度は高かったのですが、ワーキングメモリが非常に低かったのです。

だから、中学校に入って「学校生活のガイダンス」を受けていたら、一気にいろんなことを言われて、情報処理できずに間違ええたり、忘れたりして、「もう無理」となってしまったんだなーと納得しました。

我が子も、「そうだったんだー」とかなり納得していました。

その後、その苦手なところをどうやって補うか、一緒に話し合いました。

 

そして、学校の先生にも伝えて、我が子に合わせた対応をしてくれることになりました。

 

知能検査というと及び腰になりますが、己を知る、という意味では有益です。数値が高い低いで一喜一憂することはありません。高ければよいわけではありません。

でも、苦手なことを知ることで、対応策を取ることが可能になります。

 

誰でも、得意なことと苦手なことがあるのですが、その差が大きくなっていると、社会生活に苦労をしてしまうことがあります。

ちなみに、私もずいぶん昔ですがWAIS-R知能検査を取りました。最新バージョンとは違う指数が出るのですが、なるほどと思いました。

寝坊して登校し忘れたけど。

いろんな気持ちが入まじり「描きたくなかった」横からの人物イラスト絵を、ついに描いた我が子。元気に登校しようとしておりました。しかし、登校前日も夜中に頻繁に起きてきて、「これは明日はどうだろう?」と思っておりました。

 

結局、昼過ぎまで寝坊して、登校しませんでした~ うーん。

登校して授業に参加するように促されるのがまだまだ嫌なようで、それもあったのでしょうか。本人は「忘れていた―」と言っていましたが。

 

学校の先生から私に連絡があり、「授業を受けなくてもいいので課題提出だけでも学校に来て欲しい」というお話をもらったので、我が子に「課題の提出だけで、授業を受けなくてもいいから、明日は来てねと先生が言っていたよ」と話をすると、「じゃあ、明日行く~」と我が子。

 

さて明日になりました。朝、起きてきません。一応「できれば課題だけでも出しに行きな」と声を掛けておきました。

すると、昼過ぎに頑張って登校したようです。

課題を提出して帰ったと先生から連絡がありました。

よく頑張りました。

 

さて、来週から期末試験が始まります。少しでも受けられるといいのですが…

登校して休んで

その後、一度は登校したのですが、課題を手渡ししてすぐ下校したそうです。

学校には居たくなかったようです。

そのため、課題も持って帰ってきませんでした。

 

しかし、どうやら一つ課題をしていないようです。それは、「自分が作った人物イラストを横から見た絵を描く」というものです。

 

そして、再び「今度の登校日は休みたい」と言ってきました。その理由が、その人物イラストの横の絵を描いていないことでした。

 

いろいろと話をすると、人物イラストの課題を出された際、人物イラストを描くように指示され、見本として人物の前後が描かれたものも渡されたそうです。

なので、人物イラストの前後の絵を描いて持って行ったら、「横の絵も描いて」と言われたそうなのです。それが納得いかない。確かに、我が子の言うことは間違っていません。でも、仕事を始めると「よくある」ことですよね。上司の指示通りに仕事をしたら「何間違ってんだ!」と叱責されること。これに盾突くこともできますが、通常の人はできません。ましてや子どもが先生に「お前が間違っている!」とは言えないですよね。それでも(後日わかりましたが)、我が子は先生に「最初にもらった見本は横の絵がなかったから」という言い分は言ったそうです。が、「でも描いてね」と言われてしまったわけです。

 

少しずつ話して聞かせてもいい時期かなと思い、こんな話をしました。

 

「こうしたことは仕事を始めると『よくある』ことではあるよ。上司の指示通りに仕事をしたら『何間違ってんだ!』と怒られることもあるからね。でも、なかなかそれを指摘できないよね。じゃあどうするか。『わかりました。やり直します。』と言ってやり直すしかないんだよ」(パパ)

首を横に振る(我が子)

 

「であるなら、『最初きちんと説明しないのが悪い』と先生に言って、『横の絵は出しません』と宣言して、課題は出さない」(パパ)

首を横に振る(我が子)

 

「課題を提出しないと単位がもらえないよ。そうすると卒業できないことはわかっているよね」(パパ)

「わかってる」(我が子)

「ならば、課題を出さないで学校を辞める?」(パパ)

首を横に振る(我が子)

 

「しかし、横の絵を出さないならば、あなたの方が間違っていると先生に言って『横の絵は出しません』と宣言するか、学校を辞めるしかないよ」「学校を辞めたら通信高校にもう一度入るか、もう学校に行かないか」「それが嫌なら横の絵を描いて出すしかないよ」(パパ)

 

「でもさあ、何でそんなに横の絵描くのがだめなの?」と、よくよく話を聞くと「小学校2年の時に、先生が宿題を言い忘れたので、翌日宿題をしていかなかったら『何でやってこないんだ!』と叱られた」「そういうことが何度もあり、だから学校の先生が怖い」と言うのです。今回も学校の先生が怖いんだそうです。

「今の先生はすごく優しいじゃない。怒らないと思うけど。怒られそう?」(パパ)

「そうじゃない。『学校の先生』が怖いんだよ。だから、学校を変えても同じ」(我が子)

 

そうかあ、そうなんですね。トラウマなんでしょう。中学校入学当初でも、先生が怖くなる思いをしたことがありました。担任の先生の名前を覚えようとして一所懸命にメモしたら間違っていたので、みんなの前で「それは私の名前でなありません」と指摘されてしまったことがショックだったのです。同じ経験をしてもトラウマにならない子もいれば、なる子もいます。「そんなことで~」と言ってはいけません。

 

「そうかあ、仲のいい友だちはそんなこと言わないから、だから安心して楽しく遊べるんだね(我が子うなずく)。でも、少しずつ『リハビリ』していかないといけないね(我が子うなずく)。学校の先生は「怖くはない」という経験をして、すべての先生が人が怖いわけではないということを感じていけるといいな。まあ、確かに『本当に嫌な奴』もいるけどね」(パパ)

 

「自分の人生なんだから、今回は登校しないにしろ、『しょうがないけど課題をやるのか』『先生が言わなかったのだから出さないと突っ張るか』『課題を出さないでそのまま学校を辞めることになるのか』、しっかり考えなさい」(パパ)

 

我が子は泣きながら「じっと」考えていました。もちろん突き放しっぱなしではなく、「どのような道を選んでも、パパはあなたを絶対に見捨てたりしないよ」ときちんと伝えておきました。それには「うん」とうなずいていました。

 

どうなるのかな、もう無理かな、と思っていたのですが、数日後、「絵を描いたよ!」と我が子がVサイン。そうかあ、一所懸命考えて、向き合って、結論「絵を描いた」んだね。「すごいね!本当にすごいよ!」と褒めて認めてあげました。

ちょっとすっきりした表情に見えたけど、私がそう見たかったのかな?

でも、頑張れ!

ついに休んでしまいました~

安定して週1回登校していたと思うのも束の間...

休みました。

 

登校日数日前から「学校嫌だなー」と言いに来ていたので、休むための伏線だな~と感じていたのですが、その通りでした。

「学校に疲れた。。。」ということです。

無理強いしたところで登校しませんから、休みました。

しかし、こうして登校しないでいると単位は習得できないから進級できなくなるよ、ということは改めて話しました。そこも含めて考えてね、と。

そして、「これはあなたの人生であって、あなたがやることだし、パパが替わりにしてあげられることではないからね」とも伝えました。

 

うーん、そのような話をした後、「もうダメかもな~」とも感じました。さすがに私も気分が沈みましたが、「まあ、子どもの人生だから、本人が決めること」と思うことにしました。そうでないと、親の気持ちは沈んでしまって、しんどくなります。

 

数日後。。。

昼夜逆転を治そうと思って。」と我が子。

そのため夕方5時に起きてから(かなりの逆転になっていたのです)、24時間以上起き続けた翌日の夜9時過ぎに寝ました。

そうして朝は5時くらいに起きていましたが、昼寝しないように頑張っていたようです。

 

「自分なりに我が子は考えたのかな~」と思います。

その後は、今度の登校日には行くつもりであることや、課題の絵についての話をしてくれたので、なんとか続けられるのかなと思い直しました。

 

やはり、子どもにおまかせするしかありませんね。

 

とりあえず週1登校は安定してきたようです

再び登校日になりましたが、無事登校しました。

家での課題も終わらせて、前日から準備はしていたのですが、日ごろの昼夜逆転があるため、早く床に入るもなかなか眠れなかったようで、朝起こしても眠そうでした。

そのため、いつもより寝坊してしまい、登校も遅くなったようです。

 

それでも、課題を提出し、午前の授業を受けて帰ってきました。

その授業では鉛筆を用いての絵画を行ったそうですが、先生から「上手になってきている」と褒めてもらえました。

本人は、絵を描く練習は必要ということで、自分で時間を決めて家でもずっと取り組んできました。その成果が徐々に出てきたのでしょう。本人的には満足できる作品ではなかったということでしたが…

 

なんだかんだと家の課題も、放っておいても自分で時間を決めて行っていますし、安定してかなという印象です。

子どもにおまかせしましょう。

登校した

本来登校するべき日に体調不良で登校できなかった我が子。

翌週の火曜日に、登校しました。

自分で起きて、準備して、さっさと登校していきました。

 

しかも、しっかりと(とはいっても午前中の2コマですが)授業を受けて帰ってきました。

CGの動画作成をしたようで、かなり楽しく授業を受けていたそうです。

デッサンをしたいと思っていたようですが、すでにデッサンの授業時間はこなしているので、CG動画の作成の授業に参加したようでした。

 

家に帰ってきてから、その作成したCG動画を見せてくれました。その制作方法や制作過程も熱心に教えてくれました。

本来なら6コマかけるところを2コマで仕上げたようで、何はともあれ家でCG作成していたのが、役に立ったようです。本人にとっても、スムーズにCG動画を作成できたことは、ちょっと自信になったのだと思います。

 

実際、作成したCG動画もなかなかよくできており、興味のあることは得意なのだな~と感心しました。